東京・目白で刺繍教室をしています
K.Inoue刺繍教室の井上貴代美です
前回は刺繍教室に至るまでについてお話させていただきました
大学や専門学校で刺繍やソーイングを学んだわけではなく、普通の女子大生から普通にお仕事に就いて、縁あって結婚し娘を授かった、普通の主婦でした
そんな私が刺繍に出会ったのは娘が幼稚園に通うようになってからで、それも趣味の域を超えるものではありませんでした
私にとって刺繍は楽しむ物であり、時間を忘れて没頭できるものであり、仕上がった時には特別な満足感を得られるものです
刺繍によって得られる【無】の時間は今ではかけがえのないものとなりました
では刺繍とはいつ頃からあるもなのでしょうか
私なりにひもといてみたいと思います
題して
刺繍・プチ歴史探訪記
刺繍の起源
日本の刺繍の起源は遣唐使として派遣されていた吉備真備(きびのまきび)という方が持ち帰ってきたのが起源と言われていています
中国では3000年の歴史があると言われる刺繍ですが、刺繍の起源はどこかを遡るのは不可能なほど世界の至るところで様々な刺繍技術が発展しています
紀元前15000年の後期旧石器時代には針らしきものがあり、皮を縫い合わせることをしていたということです
そして古代エジプトの時代には今使われている刺繍ステッチの基本となるものが既に出来ていて、刺繍が施された衣服が発掘されています
更に、刺繍の発展にはインドも欠かせません
金や銀の糸を織り混ぜる刺繍はインドから始まったと言われています
インドから中国へ
ローマ帝国からヨーロッパへ
人から人へと受け継がれ、世界中で発展をとげていったのです
刺繍の特長
私は刺繍について特別な学びをしていません。
ですが、体験として以下のように考えます
マークとしての刺繍
まず刺繍をしてみたいと思うきっかけの一つに「ワンポイント刺繍」をしてみたい、というのがあります
子供が自分の物だとわかる、そんなマークをちょっといれてあげたいな、と思うのです
これは今も昔も変わらないようで、刺繍の起源を調べてみると、【紋様】としての刺繍というのがあり、やはりマークとして発展をしています
家紋などもその一つではないでしょうか
時間がかかる
刺繍というのは時間がかかるのです
本当にひと針ひと針なので
ヨーロッパでは貴族の女性のたしなみの一つとしての刺繍がありました
今の時代のように娯楽が沢山あるわけではなく、身の回りのことはすべて侍女がしてくれる貴族の女性にとって、刺繍をする時間は沢山あったのではないかと思うと羨ましい限りです
丈夫です
日本には刺し子というのがあります
まっさらな生地にぐし縫いで模様を作ります
そうすることによって生地が丈夫になります
また、生地と生地を縫い合わせるということは生地に厚みが出ますので防寒としての役割もあったかと思います
【キルティング】と言えば想像しやすいのではないでしょうか
服飾としての刺繍
生地に模様を付けるには大きく分けて三つあります
・染色
・織物
・刺繍
です
着物やドレスの刺繍を思い浮かべてみてください
刺繍を施された衣服はとても華やかですよね
身分の高い人達は、その特権を誇示するかのように華やかに
身分の低い人達は、生地を丈夫に必需なものとしてだけでなく、貧しいながらも紋様を楽しんだのではないかと思います(そうならいいな、という願望を含んでいます)
高価なもの
ひと針ひと針の作業は本当に大変時間がかかるものです
お教室に来られる生徒の方達も
「こんなに時間がかかるものとは思いませんでした。高く販売されているのがわかりました」
という感想を寄せてくださる方もいらっしゃいます
まとめ
刺繍というものが、いかに古くから存在し今に至るのか。
いかに時間をかけ営まれてきたのか。
受け継がれて今に至る刺繍技術だけでなく、時間を尊みながらひと針ひと針に想いをよせてお伝えできるよう、このblogを通して刺繍というものを知っていただけたらと思います
刺繍は苦手という方へ
資格取得も視野に入れて作品作りをしてみたい方へ
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